第20号 新米校長の本音(その4) 「大らかに見守り、厳正な『絶対』評価」

雪国では、2月3月が小学生のクロスカントリースキー大会真っ盛りである。

 毎週日曜日に様々な団体がスキー大会を開催してくれている。

 子どもたちは、学校区の保護者・地域の有志が組織したスキークラブに希望制の全員参加で所属している。

 小規模校のメリットを生かして保護者総動員の上、地域をも巻き込んだ支援体制の中、大会に参加する。学校とクラブの連携は欠かせない。

 スキークラブの対象は小学生のみであるが、市民対象のスキー大会では、中学生も高校生も大人も同じテントから出場する。

 スキー大会慰労会一部では、子どもたちを対象に活躍ぶり、成長ぶり、応援ぶりを褒めて労をねぎらう。

 二部は、支援部隊の出番である。アルコールの助けも借りて、子どもの成長が食卓に上る。

 「あの子が今シーズン、こんなに上達するとは思わんかったなあ」「この子は、中学校へ行ってから伸びるんだんが、どんな小さなことでも褒めてやって。適度 な負荷をかけてやって。兄ちゃんとおんなじなんだんがね。」「父ちゃんもそうだったよのお。」「クロカンは、高校になると面白くなるんだんが、続けさせて やりてよのお。」「一生の力になる体験だよのお。」

 この肴には、オーダーストップがない。夜が更け、心地よい疲れと充足感が皆を包み込んだころ、次週の打ち合わせをしてお開きとなる。

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 今、学校は「評価の時代」とも言われる。今年度から、子どもの学習評価が絶対評価に変わった。

 目標に照らし、知識・理解・技能・表現・判断力・関心・意欲・態度等々の現状を厳正に評価することが求められている。

 評価の点検を終えた後、「この子の力の絶対なのか」と自問する私の不安は、ピークに達する。

 中学生に、高校生で、十年後、二十年後、明日の成長、将来の活躍、エールに添えた熱き想いがその子の心に届いてくれることを願うのみである。(中島)