第10号 すべての人が社会の一員
「どんぐりの家」という本を知っていますか?
私は最近子どもに勧められて読みました。
聴覚障害に加え知的障害や精神障害を合わせ持つという重いハンディを背負った子供たちの成長を願い、苦しみながらも歩んでいく両親や家族、それを支える人 々の姿を描いたものです。
この本の中にあるように障害を持った人がいる家庭には、いない家庭では想像もつかないような多くの苦労があったようです。
現在は、障害者に対する考え方もずいぶん変わりつつありますが、ほんの少し前までは間違った情報や偏見による差別もありました。
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私は学生時代、サークルで月に数度、重度重複障害児入所施設に通っていたことがありました。
その施設は、幼児から高校生くらいの年齢の子ども達が生活していました。
そこでだんだんと大きくなる子どもたちを見て、成人の施設を作ることを決めたのは当然の流れだと思います。
でも、地域の方からは猛反対にあってしまいました。
どうしてなのでしょう?
そこで当時、地域の方に、私達サークルの仲間と、遊んだり散歩をしたりする子どもたちの様子をビデオで見せながら説明することで理解を求めることになりま した。
その結果、偏見が薄れ、なんとか賛成してもらう事ができました。
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今では、障害者に対する正しい理解もかなり広がっているように思います。
それでも高校を卒業してからの社会参加が難しく、授産施設[社会復帰への段階的対応を考慮した中間的施設]も満員状態というのが現状です。
特別な支援の必要な人たちが社会全体の中で当たり前に支援を受けられ、自然に温かく包み込んでいくような社会になってほしいものですが、いかがでしょうか?