第16号 我が家がかかわったアメリカの学校で
もう十年ほど前になります。夫の仕事の関係で家族揃ってアメリカで生活する機会がありました。
我が家には子どもが二人おり、地元の小学校、幼稚園にそれぞれ通う事になりました。
子どもたちは英会話どころか、アルファベットすら書けない状態で渡米したのですが、まだ何日も経たないうちに、小学校四年の長男に驚くほどの量の宿題が出 されたのです。
翌日、先生にとてもできないということを伝えると「彼ならできる」と、きっぱりと言われてしまいました。一日分ではなく、一週間分だったという勘違いは あったにしても、先生のはっきりと言い切った自信に満ちた態度には、感激させられました。
キンダーガーデン(学校に並列してある年長だけの幼稚園)と小学校、合わせて四名の先生にお世話になりましたが、お国柄なのか、本当にどの方からも自信に 満ちているという印象を受けました。
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学校に関わるボランティア活動も大変盛んで、保護者が先生個人の事務処理や、プリントの整理をするなど、日本では考えられないような事もしていたようで す。
私は、小さい子を連れていてもできる月一回のボランティアに参加しました。
授業で使う小道具のようなものを作る作業でしたが、「どんな子がどうやって使うのかな?」と考えると、とても楽しい気持ちになりました。
このボランティアを通して友達もできましたが、なんと言っても年に一度、先生方が手作りの料理を学校に持ち寄り、ボランティアに参加したすべての人達を呼 んでパーティーを開いてくれた事がとても印象的でした。
一つの学校を知ってアメリカを知ったような勘違いをしてはいけませんが、とても良い経験をさせてもらいました。